この国を侵す甘い毒の歴史 第五回 ~砂糖の楼閣、大日本帝国~

何度も述べさせて頂くが、甘味は麻薬がもたらす快楽と何ら変わらない。
甘味をもたらす砂糖は麻薬である。
甘味という快楽の残照が頭に焼き付き、
それを常に求めるようになるという高い中毒性をもち、
そして甘味という快楽さえ手に入れば他はどうでも良くなってしまう…
世の中のあらゆる苦境へのふんばりが出来なくなる、
物事の正常な判断ができなくなる、
つまり人間を堕落させるのだ。
甘味は人間の精神に悪い影響を及ぼす…簡潔に述べるなら、頭を悪くするのである。

甘味に溺れたものの末路は破滅のみ、
江戸幕府は自らが広めた砂糖に堕落して終わりを迎えた。
260年間の長きに渡り日本を支配した徳川氏の江戸幕府はここに滅亡した。
そして700年間続いたサムライ政権の時代もここで終わったのである。
江戸幕府を倒した朝廷側すなわち薩長連合は新たな政権、明治政府を発足する。
そして彼らは国の体制を整えると新たな国名を宣言した。
明治23年、「大日本帝国」の誕生である。

大日本帝国はこれまでの日本史上では類を見ない程に、
砂糖の消費が増大した国体であった。

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